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リビルドレポート

2010年10月21日(木)
EJ20G リビルド その3

ボーリングできれいになった4番シリンダー

使用するオーバーサイズピストン

コンロッドナットはボルトの伸びを確認しながら締めます

合マークを付けたブロック結合ボルト

クランクメタルにはモリブデンオイルを塗布します

 シリンダーがボーリング加工から帰ってきました。
アルミが溶着していた4番シリンダーも、きれいに仕上がっています。

 シリンダー内径を測定してピストンクリアランスを確認します。
標準値は0.020±0.010个任垢、今回は0.030±0.005个任願いしました。

 入荷したアンダサイズのクランクメタルでメタルクリアランスを確認します。ブロック結合ボルトは再使用、シールワッシャは新品に交換して規定トルクで締め付けます(ブロック結合ボルト全10本の内、6本はボルトの頭がブロックのウォータージャケット内に露出するので、冷却水がクランクケース内に浸入しないようゴムシール付のワッシャを使用しています)。

 締付トルクは47Nm(4.8kgm)です。締付後、ボルトの頭とブロックに合マークを付けます。合マークは、クランクジャーナル内径が常に同じ寸法になるようにするためです。

 ブロック結合ボルトは、クランクジャーナル部分を締め付けています。トルク管理なので、ボルトの軸力はボルトのねじ山とワッシャと当たる面のすべり具合の影響を受けます。そして軸力により、クランクジャーナル内径が変化します。

 同じトルクですべりの良いボルトは、回転角度が多いので軸力が上がります。ブロック同士を結合する力が強くなるので、ジャーナル内径は小さくなります。あまりすべらなければ、ボルトの軸力はすべるボルトよりも小さいので、ジャーナル内径もボルトの軸力が大きい個所よりも大きくなります。

 メタルクリアランスを確認後、クランクシャフトを仮組みして軽く回ることを確認します。その後本組になりますが、その都度ブロックを分割して結合ボルトを再度締め付けることになります。その場合、各ボルトのすべり具合が常に同じとは限りません。メタルクリアランスを確認した時よりもすべるようになればジャーナル内径が小さくなるのでメタルクリアランスが小さくなります。すべらなくなればメタルクリアランスは広がってしまいます。

 するとメタルクリアランスを確認した時は、測定値がマニアルで指定されている範囲に入っていたにもかかわらず、本組のときは範囲を外れてしまっているという状態になる可能性があります。

 このようなジャーナル内径の変化を防ぐために、最初に締め付けたときにボルトに合マークを付けます。その後はトルクよりも合マークを優先して締め付けます。合マークがあっていればジャーナル内径は常にほぼ同じ寸法になります。

 なぜこのようなことになってしまうのでしょうか?考えられる理由として、締めたり緩めたりを何度か繰り返すと、ボルトとワッシャの当たる面の凹凸が滑らかになり、すべりやすくなるのが原因ではないかと思われます。

 EJ20Gは1番ジャーナルのボルト2本(一番前:他の8本より全長が短い)の締め付けに注意が必要です。この2本は、何故か他の8本よりも余計に回る傾向があります。
 今回の作業では47Nmで締めて合マークを付け、1度緩めて再び合マークが合うまで締めた時のトルクは32Nmでした。47Nmで締めると合マークからさらに15°回り、ジャーナルの内径は0.007仂さくなりました。0.007仂さくなってもメタルクリアランスが指定されている範囲内ならば問題ありません。
 今回のリビルドでは1番ジャーナルのボルトは48Nmで締めて(合マーク+15°)、他の8本は48Nmの合マークまで締めてクリアランスを確認してOKでした。クランクシャフトを仮組みして手で軽く回ったので(起動トルク:0.3〜0.4Nm)本組も同じように締めることにしました。

 クランクシャフトにコンロッドを組み付けます。コンロッドナットは、メタルクリアランスを確認した時と同様に、ボルトの伸びを優先して締め付けます。
 締め付け後の伸びは、0.126〜0.130弌▲肇襯はマニアルでは46Nm(4.55kgm)ですが、締め付け時のトルクは、46〜51Nmになりました。

 次はブロックにクランクを組み付ける準備です。メタルにオイルを塗布します。ブロック合わせ面のOリングを忘れずに取り付けます。シール剤をブロック合わせ面に塗布します。指定されているシール剤は、スリーボンド#1215です。灰色なのでブロックからはみ出してもあまり目立たず、耐エンジンオイル性良好のシール剤です。塗布してから表面が乾燥するまで60分かかるので、落ち着いて作業できます。

 ブロックが組みあがったら、次はピストン取り付けです。